シンボル/サブモデル


1.シンボルについて

形が常に決まっている図形を、登録しておいて、いつでも使用することができます。
このような図形をシンボルと呼びます。
たとえば、社章、電気用図記号などのマークや図面枠などをシンボルとして登録しておくと、作業の効率を高めることができます。
シンボルは、1つのアイテムとして扱われます。
シンボルを登録するときに指定した原点とノードポイントのみが指示でき、シンボルを構成する他のアイテムは、指示できません。
(1) シンボルは、ウィンドウアイテムです。
したがって、シンボルのコマンドは、ウィンドウモードで実行してください。
・複数のウィンドウが配置されている場合は、処理の対象にするウィンドウを、ウィンドウモードに設定してから実行してください。
・ウィンドウが1つの場合は、設定が不要です。
(2) シンボルとして登録すると、シンボルファイル(UID.名称.S2)が作成されます。
シンボル名称に使用できるのは半角英数字と記号の"_"(アンダーバー)のみで、文字数は23文字以内です。スペースは使用できません。
シンボルファイルを修正して登録すると、すでに配置している同じ名称のシンボルすべてに、その修正が反映されます。
また、シンボルファイルを削除すると、同じ名称のシンボルすべてが削除されます。
(3) シンボルの原点とノードポイント
・シンボルは、必ず原点をもちます。
その位置は、図形をシンボルとして登録するときに、指示して設定します。
また、シンボルとして登録した図形の中に点アイテムがある時は、その点がノードポイントになります。
初期設定では、ノードポイントは表示されません。システムメニューのミスク(CMMS)コマンドの[コマンドミスク]−[モデル・シンボル]で表示、非表示を設定してください。
・シンボルとして登録する図形に、点アイテムを作成しておくと、その点がノードポイントとなり、配置した後、編集するときに便利です。
(4) 属性
・クラス番号
それぞれのアイテムのもつクラスは無視されます。
シンボルを配置すると、そのときのクラスがシンボルごとに原点に与えられます。シンボルを構成するすべてのアイテムは、原点と同じクラスです。
・線種番号、線幅番号、ペン番号
シンボルを構成する各アイテムごとにもっています。
(5) スペシャルポイント
通常の作図作業では、必要ありません。
スペシャルポイントは、原点からの相対座標値で表示されます。
シンボル登録時に必要であれば指定します。シンボルを配置した後は、スペシャルポイントを指示できません。
【ノードポイントとスペシャルポイント】
ノードポイントは指示できます。また、点アイテムとしてモデルの中に登録されるので3次元の座標を知ることができます。
スペシャルポイントは、シンボルを配置しなくても検索できますが(GIPを使用)、シンボル原点からの相対的な位置がわかるだけで、3次元の座標は変換してもとめてください。
(アプリケーション用)

2.サブモデルについて

モデルファイルとして登録した図面を、作業中の図面中に呼出すことができます。その図面を「サブモデル」と呼びます。
サブモデルは、コマンド[上書き保存]または[名前付保存]で登録したモデルファイル(UID.名称.MD)を使用します。
その方法として配置と複写があります。
・配置・・・部品図、組立図を、それぞれ別のモデルファイルで作成しておき、現在作成中のモデルファイルに配置して、全体図などを作成します。
・複写・・・既存の図形を複写して、似たような図形を作成します。
(1) サブモデルの原点
サブモデルは、必ず原点をもちます。
図形をモデルファイルとして登録するときに、設定した位置です。
配置または複写するとき、指示した位置に、原点が重ねられます。
(2) 属性
・クラス番号、線種番号、線幅番号、ペン番号
図形をモデルファイルとして、登録したときの属性で配置または複写されます。
複写の場合は、システムメニューのミスク(CMMS)コマンドの[コマンドミスク]−[モデル・シンボル]で各アイテムのクラスを現在のクラスに変更できます。
(3) アイテム名称とグループ名称
・配置
各アイテムのアイテム名称、グループ名称は無視されます。
グループ名称は、自動的にサブモデルを構成するアイテムに対して、付加されます。(グループ名称「LINK****」)
アイテム名称は付加されません。
・複写
複写の場合は、システムメニューのミスク(CMMS)コマンドの[コマンドミスク]−[モデル・シンボル]の項目5、6番で設定します。
特にアイテム名称は、重複することは許されないので、それらを固有のものとする場合、項目5番を「1.同じ名称があればナンバリング」に設定してください。
(4) モデルファイルの一部のみを、サブモデルとして利用する場合は、必要な部分のみを別のモデルファイル名称で登録しておきます。

3.サブモデルの配置と複写

(1) 配置
配置されたサブモデルは、1つのアイテムとして扱われます。
図面を登録するときに、指定した原点のみが指示でき、サブモデルを構成する他のアイテムは指示できません。
トリム、面取り、切断を実行しても、その状態は保存できません。
もとのモデルファイルを修正すると、すでに配置しているサブモデルすべてに、その修正が反映されます。
また、もとのモデルファイルを削除すると、すでに配置しているサブモデルすべてが削除されます。

(2) 複写
複写されたサブモデルは、1つのアイテムではなく、それぞれのアイテムとして、分解されているので、自由に修正できます。
もとのモデルファイルの図形とは、まったく関係がなくなり、もとのモデルファイルを修正しても、すでに複写された図形には反映されません。

4.ネストとレベル

シンボルを登録するとき、図形の中にシンボルを含むことを「ネスト」と呼びます。ネストが行われると、シンボルが階層になります。
これを「レベル」と呼びます。
親のシンボルがレベル1で、子、孫となるに従いレベルは2、3と深くなります。
シンボル全体はレベル0です。通常は意識する必要はありません。
ネストが行われている図面では、レベルを設定することで、そのときの表示状態や分解状態が違ってきます。
初期設定は、レベル0でシンボル全体が対象となります。
たとえば、シンボル「AABC」について考えると、レベル1は煙突の部分になります。
そのため、レベルを「1」と設定していると、それよりレベルが深いものは表示されません。
シンボルを分解するときも同様に、分解レベルまでしか分解できません。
登録する図面の中に、サブモデルが配置されている場合も、「ネスト」と呼びます。
シンボル、サブモデルのレベルは、システムメニューのミスク(CMMS)コマンドの[コマンドミスク]−[モデル・シンボル]で設定します。

5.サブモデル中のウィンドウアイテム

サブモデル中にウィンドウアイテム(シンボル、文字など)が含まれていると、ウィンドウアイテムを配置したときと同じウィンドウが、いまの図面にある場合、そこに表示されます。
また、サブモデルの回転状態からビュー方向を再計算して、その方向と一致するウィンドウに表示されます。
ビュー方向とは、そのウィンドウアイテムを配置したウィンドウが定義されているビュー平面のZ軸の方向です。
サブモデルが回転を伴って配置したときは、その回転角とビュー方向から新しいビュー方向が定められます。

6.シンボルとサブモデルの違い